ここ10年で、馬の管理において、馬産地日高で一つ大きな変化が起こっています。

それは、従来は昼間に放牧して、夜は馬房で過ごさせる管理法が主流だったのですが、ある一定の時間を除いて日中そして夜も放牧させる管理法にシフトチェンジする牧場が増えてきていることです。

そんな大きな変化??と感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、馬の体力・精神力を鍛えるにはとても効果的で重要な管理法なのです。

近年、不思議(?)とこの管理法を取り入れて馬づくりをしている牧場の馬達の活躍が目立っています。

実は、これは決して不思議なことではなく、馬自身のためにとても良いことであり、理にかなっていることです。

最終的には、皆さんのようなオーナーを喜ばせてくれる可能性をグッと広げてくれるはずです。

 

生まれもった素質・能力を全て発揮させることができるように体力面と精神面を鍛える

 

この管理法は、昼間のみの放牧(10時間程度)に対して、昼夜放牧(18時間~20時間)によって体力をつけたり、栄養供給を強化する目的があります。

自由行動の時間が長くなるため、体力が養成され、そして適度な運動負荷により骨や腱組織が刺激され、強化されることが過去の調査で報告されています。

私は気になって、実際に夜中じゅうずっと放牧地にいる馬を観察したことがあるのですが……

これが意外と動いているのです!!

GPS装着によって調査していた方から聞いたお話ですが、馬によっては一晩で歩いたり走ったりして70km以上も移動していた馬もいたとの話を聞いています。

夜中の真っ暗な中で動くため、精神的に繊細に、そして強くもなると考えられています。

皆さんも想像してみてください。

家で一日中ゲームをしている子供と、ずっと外でサッカーや野球をして走ったりしている子供のどちらが健康的で、丈夫に育つ可能性があるかを。

現場で働く獣医師としても、体温が上がる馬や、風邪などを引く馬が明らかに昼夜放牧の馬では少ないことを実感していて、ちょっとのことではびくともしない身体ができているのではないかと感じています。

 

 

ここで一つ、昼夜放牧を取り入れて効果を感じている牧場さんのお話を紹介します。

数年前から開始したのですが、そこで育った馬達が後々競馬場に行った時に、実際に何人かの調教師から、こう言われたそうです。

「○○牧場さんの馬は変わったね。体力があって丈夫だよ。レース後の回復力が違う。またすぐに「レースに使えそうだよ。」

調教師には放牧管理を変えたと伝えたことはなく、その他の管理方法で大きく変えたことはないので、何人かから同じ言葉があるというのは決して偶然ではないように思います。

昼夜放牧の馬と昼間だけ放牧している馬を、1歳の春の時点で放牧地に話すと、最初は一緒に走っていますが、後者は見てわかるぐらいすぐにバテてしまい、前者に付いていけなくなり、走るのを止めてしまいます。

基礎体力の差が、その時点ではっきり目に見えるのです。

追いつくには数カ月かかります。

騎乗馴致を始める時点で、この差がついているのは大きく、運動強度を上げていくうえで元々の体力、体の丈夫さは必要でしょう。

一口馬主として出資する場合でも、私ならどちらの馬を選びたいかは、読んでくださっている皆さんであればおわかりかと思います。

このことに関しては、募集馬カタログに書いてあることもありますし、様々な雑誌で牧場について取りあげられている中で(重賞勝ち馬の故郷など)、実施しているかどうかが記されていることがありますので、

その牧場出身の馬であれば、予測できるかと思います。

是非参考にしてください!