馬産地ありの競馬

 

馬産地には1年の流れがしっかりとあります。

年が明けたら、出産・交配の時期が訪れ、それが終わると春から夏にかけて牧草を狩る作業が繁忙期をむかえ、

それと同時にセリ市が開催され、10月まで行われます。

あっという間に1年が過ぎていきます。

少しゆっくりできるかと思えるのは11月、12月でしょうか。

私達獣医師は出産・交配が行われる繁殖シーズンは特に昼も夜も関係のない生活をしています。

馬は全体の90%が夜に出産します。

お産に立ち会うことが多く、何時間もまとめて眠れない日々が続きます。

普段から時間に追われることが多く、ホッと一息つけることはなかなかありません。

と言いますか…仕事が終わって、

「あ~ようやく1日が終わった!」と、思えたことは社会人になって一度もありません。

むしろ振り返ってみると、なんのプレッシャーもなく生きていた学生時代に、

発言していました(笑)

獣医師となり、夜中も急患で呼ばれることが少なくなく、気持ちをゆるめられることは少なく、

そのような緊張感をもった毎日を送っているなかでも、

やりがいを大いに感じ、楽しみな瞬間はいくつかあります。

それを感じれなければ、この仕事はできない!!と、

私は思っています。

その一つである、関わった馬のデビュー戦は特別な想いです。

毎年、多くの馬がデビューしますが、

無事にこの世に生まれてくること、

そして、順調に育ち競馬場までたどり着くことがいかに難しいことか…

毎日考えさせられます。

ですので、無事にデビューできること(出走確定)を知ったら、なんとも嬉しい気持ちです。

 

ファンありの競馬

 

現職に就く前、私は日高の生産牧場を往診する獣医師として毎日を過ごしていました。

その時に関わった馬が昨日、同じレースに3頭出走しました。

16頭の中に偶然3頭も入るなんてなかなかありません。

母馬がその子たちを宿しに交配に行く時のことや、

受胎して最初にエコー画面に映った姿、

生まれるまでの生産者の思い、

生まれた直後の本馬の姿や成長していく姿は鮮明に覚えているものです。

1歳の夏から秋になると、生まれた牧場を離れ、

育成牧場に移動して調教を積むのですが、

そこからは直接見ているわけではないので、

どのように成長しているのかたびたび気になり、考えていました。

以前にもお伝えしていますが、2歳のこの時期にデビューできることは良いことです。

生産者、オーナーにとっても喜ばしいことです。

勝負事なので、結果は自ずと後からついてきますが、

まずはアスリートとして、舞台に立たなければいけません。

早期デビューが求められている時代ですし、

生産者はそれぞれの管理方法を試行錯誤しながら馬づくりに励んでいます。
(*昼夜放牧の効果 -強く・走る馬を育てる方法-

必死に走る馬達、もしくは全く集中して走っていない馬達(笑)を

わが子のように見守れるときは少し気持ちを和らげられる瞬間です。

毎週末が楽しみなのは、競馬が好きな気持ちはもちろんですが、

このような純粋な気持ちをもつことができて、

日々のモチベーションにつなげられるからだと思っています。

 

馬は1頭1頭個性に溢れており、

いろいろな人たちの想いのもとで生産・育成されているので、

皆さんが、

「良い馬を見つけた!」

「応援しよう!」

などと、真剣に考えて出資してくださることは、

関わる現場の人間にとって、この上ない喜びとやりがいを感じる瞬間です。

これからも良い馬を生産しよう、育てようと思えるものです。

これは次世代のサラブレッド誕生に大きく影響します。

本ブログでは、理想的な馬体のコンフォメーションを中心に解説しており、

皆さんが馬を選ぶ際にタメになる内容をこれからも現場から発信していきますので、

好きな馬を見つけて楽しみましょう!