生産する側は血統、買う側はその馬自身の資質を重要視する

 

以前テレビ番組のなかで、

リーディングブリーダーのノーザンファームの代表である吉田勝己さんが、

優秀な馬を生産するためには「良い血統の馬」を導入して、

交配し続けることだとおしゃっていました。

全くその通りだと思いますし、

種牡馬になる馬つまり後世に血を残していく馬は、

血統表を見渡すと5代までにチャンピオンホースばかりが並んでいます。

ただし、馬を買う側の馬主にとってはそれを一番に考えてしまったら、

目の前にいる馬の資質を見落とすきっかけにもなってしまいます。

順位は付けられませんが、

現在の日本には多くの世界の良血牝馬そして種牡馬が存在しており、

全て血統で馬を選んだ場合、

絶対に損をします

 

本ブログ内で血統の重要性についても何度かお伝えしてきました。

 

(こちら→【ダービー】サラブレッドの成功に必要な3要素の遺伝の仕組み

【ダービー特集】最強のサラブレッドを生む基本的は配合の法則

 

それはあくまでGⅠのような最上級レースにおけるほんのわずかな差による決着が問われる部分での底力に影響してきますが、

GⅠを勝つ馬だけが良い馬では決してありません。

少しでも長く現役時代を過ごし、

楽しませてくれる馬がベストだと私自身は思っています。

 

こんな言い方をするのはあれですが…

決して血統に惑わされて出資してほしくないという思いもあり、ブログを始めたのです。

一番最初の記事でお伝えしました。

 

(こちら→はじめまして!!

 

全兄弟、全姉妹でも全く異なる馬

 

皆さんも身の回りを見渡して見てください。

人間の世界でも兄弟や姉妹で外観の風貌、学力、運動能力って違いますよね?

似ていても全く同じということはないと思います。

馬の世界では同じ母でも父が異なるケースも多く、

その場合、兄弟が全然似ていないというケースはもちろん見受けられるのですが、

父と母が同じ全兄弟(全姉妹も)であっても全然似ておらず、

運動能力が異なるということは珍しくありません。

 

我々生産者にとっては、

兄や姉が活躍した場合に、

その弟や妹も似ていて同じような競走能力を兼ね備えていることを期待して生産することが多いのですが…

なかなかそう上手くはいきません…。

そんなに甘くないんです。

サートゥルナーリア、エピファネイア、リオンディーズの3頭のGI馬を生んだシーザリオを筆頭に、

シュヴァルグラン、ヴィルシーナ、ヴィブロスを生んだハルーワスウィート、

ダンスパートナー、ダンスインザダーク、ダンスインザムードを生んだダンシングキイといったとんでもない質の高い繁殖牝馬が現れることはかなり少ないです。

 

ですから、

ブラックタイプ(血統表)を見て、

兄弟で活躍している馬がいても、

だから走りそうだとか先入観に惑わされることはやめましょう!

アスリートとしての資質を見極めましょう。

 

種牡馬に視点を向けても、

流行しているディープインパクト、キングカメハメハ、

ロードカナロア、ハーツクライの産駒はこぞって募集価格が高くなります。

しかし、それ以外の種牡馬の産駒でも走る馬は走りますし、

比較すると安価です。

 

ネットの配合診断は楽だが…

 

 

ネットで母馬と父馬を記入して、

血統的相性を診断するツールなどがあります。

例えば、海外のTrue Nicks。

外国産馬を評価する際に使用されている方もいるのではないでしょうか。

これまで本文を読んでくださった方ならお気づかれるかと思いますが、

これはあくまで“生産する立場”の側にとっては有効かもしれませんが、

すでに生まれた馬を見極める時にはあまり意味をなしません。

少しでも良い馬を生産する可能性を上げるためには相性のよい配合、

もしくはベストトゥベストの配合は必須です。

ただし、生まれた後に見るべきなのは、

実際に目の前にいる馬(産駒)なのです。

 

極端な例を出します。

父と母がともにGIレースを何度も制した名馬がいたとします。

血統的には世界が注目しています。

ただし、その子の1歳時点での馬体重は280kgしかありません。

これは小さすぎます。

これでもあなたは買いますか?出資しますか?

答えは「ノー。」ですよね。

 

しかし、それと同じように血統による先入観で馬を選んでいる方は意外と多いです。

 

将来の種牡馬になる馬を探している、

走らなくても良いから血統の良い馬しか買わない!というスタンスであれば、

全く私の意見は聞かなくて大丈夫です(笑)

もしかしたら、100頭選んだら、

その中の1頭は本当に活躍して種牡馬になるかもしれません。

ただ、選ぶからには選ぶ全ての馬に活躍してほしい、

そういう愛馬を探したいという方には、

しっかりと馬体を評価して選んでいただきたいと願っています。

本当に遠方から足を運んで、ツアー等に参加してくださっているので、

なおさらです。

 

2019年、クラブ募集馬の予約が早いところでは始まっているので、

この機会にもう一度お伝えしておきます。