無視できない『首』

 

首の長さとコンフォメーションは、歩行時だけでなく、スピードにのった状態での俊敏な動きをする時に重心を移動させ、全身のバランスをとるのに重要になってきます。

後肢からの推進力を前で受け止めながら、勢いを少しでも損なうことなく、いかに身体を前方へ進めることができるか、ということが、レースで少しでも早いタイムで走りきるために大切なことです。

前肢を前に進めるときには頭と首を使って振り子運動を機能させています。

 

ポイント

・筋肉は最大で全長の1/3まで収縮する

・短い首は慎重に考える

 

首の筋肉が収縮することによって肩が引っ張られ、前肢を前方に推進させるのを助けます。

その肉体的な構造を考えると、前肢を適切に前に出すには、ある程度の首の長さが必要になってきます。

首が短いと筋肉の収縮も少なくなりますので、肩もあまり前に出なくなり、前肢の振り幅が小さくなります。要するに…歩幅が小さくなるのです。

上の写真の馬は首が短いですが、同じく首が太いです。

こういった馬は同じ距離を走るにも、何度も足を出して回転させなければならず、その分疲労度も高くなるはずです。

ケア次第ですが、順調にレースを使えない馬も比較的多い印象です。

ただし、ポイントのところで、“短い首はダメ”ではなく、‟短い首は慎重に考える”となぜ言ったかといいますと……

なかにはスピード力があり、活躍する馬もいるからです。

ですから、首の長さ・太さのみで馬の資質は判断できないと考えますが、

あくまで他の身体の部分で秀でている部分があれば、カバーすることは可能と考えています。

正直、この業界に入る前に私がPOGに最初に参加していた頃(学生時代)、全体的に指名していた馬は身体がゴツク、首も短めで太くて立派な馬でした。

重賞を勝った馬もいて、とても嬉しい思いもしましたが、その反面順調にレースに出れない、そして勝てない(未勝利)馬が圧倒的に多かったのです。

そこから、ある身体の部分の特徴が同じでも、走る馬と走らない馬とでは他の身体構造で異なる部分があるのではないかと思って、ずっと考えました。

今後いろんな部位のコンフォメーションについて解説していきますが、密接に関わっていますので、そちらも見たうえで総合的に個体の評価をしてほしいと思います。