少し間が空いてしまいましたが、胸部のお話に戻ります。

前回の胸の項までで、胸部の形状が馬の運動能力および持久力に重要な影響を及ぼしていることを解説し、前回までは側面からの評価の仕方についてお話しました。

今回からは、3回にわたって胸を正面から見る場合の評価の仕方について解説していきます。

 

横との印象が異なる正面からの評価

 

ポイント

・胸の形状と本馬のもつスタミナに密接な関係がある

・効率的な胸部構造には2つのタイプがある

・より大きな肺の拡張を可能にする胸が良い

 

ハードな運動をする時に、効率的に呼吸し、十分量の酸素を吸い込むことが大切ですし、持久力に関わってきます。

そのためにより大きな肺が膨らむスペースが必要であることを前回の項でお話しました。


(前方から胸部を見た図)

主に効率的な胸部構造には2つのタイプがあります。

円柱状の丸い形をしていて、広く、深い胸が理論的には理想です。

上の写真をご覧ください。

①②の両者で、胸の深さはほとんど同じなのですが、胸の幅が異なっています。

胸の深さとは、キ甲のてっぺんから胸の下端までの長さを指しています。

①の方が横幅があり、丸みを帯びているように見えます。

胸腔スペースの総体積が大きく、肺の拡張可能なスペースも大きくなり、持久力に富むことが考えられます。

下の2頭の写真をご覧ください。

実際の馬達を正面から見た図です。

 

A

B

Aの馬は、胸が深く胸幅は標準サイズです。先程の胸部構造の②のタイプです。

それに対してBの馬は、胸幅が広いことがわかります。先程の胸部構造の①のタイプです。

胸の深さは、真横からのアングルからでもわかるような気がしますが、実は正面から見た方が正確に評価できると私は考えています。

真横から見て、十分な胸の深さがあると感じた馬でも、実際に正面から見てみると、そこまで深さがないことがわかる場合があります。

逆もしかりです。ですので、私は両側面から見ることを大切にしています。

冒頭でもお伝えした通り、今回は‟運動能力と持久力”について、後者の持久力に焦点を当てて解説しました。

次回は運動能力の方に焦点を当て、今回のと合わせて総合的な評価方法を解説します!