運動中の力と駆動力を支え、伝達する大切な身体構造

 

今回から‟背”のコンフォメーションについて解説していきます。

背は騎乗者を支える場所、そして前肢・後肢などのバランスを保つ非常に重要なパーツです。

背の部分の骨、軟部組織または両者が原因による故障は皆さんが思っている以上に多いです。

話は少しズレますが、競馬の取り消しの理由や、厩舎から牧場に放牧に出るときなどの理由に、「跛行」ということを耳にしたりすることがあると思います。

この跛行とは、ごく一般的な認識としては歩様が乱れている状態のことを示していて、私達業界の人間も脚のどこかが原因(痛いなど)で生じていると思っている方が多いです。

しかし、正確に説明しますと、病的な状態であったり、身体のどこかが痛いことによって、運動器の機能障害が生じていることを指します。

つまり、脚のみではなく、これまで解説してきた首や肩の筋肉や背に痛みや障害が生じて起こることもあるのです。

骨、関節、結合組織を含む馬の背は、上からの重量(騎乗者や鞍など)を保持しながら、自ら動くときの力と駆動力を伝達する役割があります。

騎乗者を乗せて走る時、自身の体重の25%の体重の負担がかかっていると言われています。

500kgの馬体重の馬だと…125kgです。

背にこれだけの重量の圧がかかっていると想像すると、故障する可能性が少なくないことも想像できると思います。

また、骨格構造の中で成熟するのが遅いパーツの一つで、若い時にハードな運動・調教は、相当な負担になっています。

傾斜地を走る時やジャンプする時、滑りやすい地面で急に停止しようとした時などに背を痛めたりするリスクがあります。

硬い馬場で速やかに走ることによる振動でも、背中が壊れてしまうことが知られています。

しかし、少しでも早くデビューし勝つためには、早い時期からある程度の強い負荷に強いられながら耐えて、逞しく成長していく必要があります。

良い背は強く、総合的な健全性にも貢献します。

これから少しずつ理想的な背について、掘り下げながら解説していきます!