少し間が空いてしまいましたが、前肢のコンフォメーションについて解説していきます。
(*前回の記事→ 【キーワードは2:1のバランス】 前肢の動きの中心場所とは!?

上腕骨の長さと角度が、前肢の動作とストライドに大きく影響を与えることを前回お話しました。

連結する肩甲骨と上腕骨の長さの関係について解説しましたが、

長さのみではなく、両者のなす角度もバランスという点において大事になります。

 

理想的な角度は!?

 

肩甲骨と上腕骨との間の角度は100~120度が理想です。

この角度を測定するには、筋肉の下に存在する骨を視覚化し、

イメージするのですが……

なかなか慣れないと難しいですよね。

ここで、上の写真をご覧ください。
(青線は肩、そして赤線は上腕骨の中心を走る線として示しています。)

青線、赤線に注目しましょう。

それぞれの場所に肩甲骨と上腕骨が存在します。

両者の間の角度を見ていただければわかると思いますが、

90度以上あります。

全身構造とのバランスもとれており、理想的なコンフォメーションです。

理想が100~120度と前記しましたが、

実際に目の前で馬を見ながら、この角度を測ることはできません。
(角度を測るのに時間を要するくらいなら、他のパーツの評価をしましょう。)

ですので、90度以上の角度があると見受けられれば、それで大丈夫です。

さて、下の図をご覧ください。

 

 

横から見た2頭の立ち写真ですが、皆さんどちらがお好みですか?

明らかにタイプの異なる2頭を描き、示しています。
(上腕骨のみ透視しています。)

身体全体のバランスはもちろん異なるのですが、

今回焦点を当てている2つのパーツのバランスが異なるだけで、全身の印象も変わってきます。

では、2つのパーツに着目してみましょう。

 

 

青線は肩甲骨、緑線が上腕骨を示しています。

AとBの馬を比較してみると、

肩甲骨の角度はほぼ同じですが、

:上腕骨は長く、上腕骨は傾斜が上向き(立っている)。肩甲骨も長い。

:上腕骨は短く、上腕骨は傾斜がBよりゆるい(寝ている)。肩甲骨はAに比べて短い。

前回の項で、長い上腕骨を兼ね備えることを理想とお伝えしましたが……

全身構造とのバランスも大事ともお伝えしました。

ここで、今まで解説してきたことの復習にもなるのですが、

2つのパーツだけでなく、少し全体に視点を広げて、頭と首も含めたバランスを見てください。

以前、首の付け根部分が肩端よりも高い位置にあるのが理想とお話しました。
(*記事参照→首と肩の関係

実は、Aの馬は両者の位置関係が理想と逆なのです。

下の写真の馬に近いです。


(*赤点は肩端の位置、青線の部分は首の付け根の位置を示す)

それに対してBの馬は、首、肩、胸部、上腕骨のバランスが整っており、

こちらが理想的なコンフォメーションをしています。

 

上写真の馬に近いのです。

以上のように、肩甲骨と上腕骨において両者の関係に理想はありますが、

それのみで評価するのではなく、全身構造とのバランスも大事なのです。

最後に一つの傾向ですが、

Bのような上腕骨が短かめで傾斜がゆるいタイプのコンフォメーションを兼ね備える馬にスプリンターが多いです。

 

解説しておきながら、個人的には、

今回のお話は細かい部分も多く、なかなか外観からイメージすることも難しいかと感じます。

私も馬を見始めた最初の頃は、このような説明をされても理解しがたかったかのように思います。

しかし、馬を何度も見ていくうちに少しづつ理解できるようになります!

ですので、いきなり理解することが難しくても気にしないでください!

馬の横写真を見ることに、そして全身の各々のコンフォメーションの評価をすることに目が慣れてきた頃に、

もう一度この記事を読んでいただけたらと思います。