産駒のアベレージに着目

 

前回に続いて、POGにおいて”血統”に着目して馬を選ぶ場合の戦略について解説します。

子が生まれるには、そこには母・父の存在があり、

特性が親からその子孫に継承される生物学的過程を遺伝と言います。

 

理論上は母と父から半分ずつ形質が伝わることを意味しますが、

サラブレッドにおいて、ほとんどの場合で私達が期待するのは産駒が「父似」であることです。

ここでほとんどの場合とお伝えしたのは、たいていの場合父親(種牡馬)の方が競走実績が上なのですが、

相手の母親(繁殖牝馬)自体がGI勝ち等の重賞勝ち実績がある場合はそうとは言い切れないからです。

種牡馬になるには、個人オーナーが趣味で所有する場合などを除き、血統面・レース実績ともに素晴らしいことが必須です。

要は、皆さんもご存じかと思いますが、種牡馬にはその子に少しでも本馬の良い資質を継承してほしいと願います。

そして、優秀な種牡馬は自らのアスリートとしての良い資質を子に伝えます。

 

ポイント

・産駒の1レースあたりの獲得賞金に注目

 

産駒全体がどれほど走るか、そして産駒達がどのレースレベルで結果を残しているか、

種牡馬の能力を判断するのに必要な着目点です。

ここで具体的に「アーニング・インデックス(AEI)というものに着目します。

出走馬1頭当たりの収得賞金の平均値を1.00として、各々の種牡馬の産駒の平均収得賞金の割合を数値で表わしたものです。

1.00が平均となり、数値が大きくなるほど産駒が多くの賞金を獲得していることを表わします。

以下の表をご覧ください。

 


(社台スタリオンブックカタログより抜粋)

 

昨年2018年度における2歳リーディングサイアーランキングです。

右端2つがAEIの結果ですが、赤線で囲んでいる部分が全体のレースにおける成績、

そして青線で囲んでいる部分が重賞レースにおける成績を表しています。

2.00以上の数値であれば、とても遺伝力の優れた種牡馬と考えられます。

平均より倍の獲得賞金を産駒が稼いでいることになります。

ディープインパクト、ロードカナロア、ダイワメジャーの上位3頭は勝ち馬数も多く、上のレベルのレースでも好成績を挙げていることがわかります。

ハービンジャーは、重賞AEIが7.65と非常に高いですが、全体のAEIが1.5であり、

ある産駒がこの高い数値に貢献していることもわかります。

この場合は、重賞2勝のニシノデイジーの活躍がこの数値に表れています。

 


(社台スタリオンカタログより)

上の表は2018年度の3歳リーディングサイアーランキングを表しています。

先述の世代よりも1つ上の世代ですが、劇的に年ごとにランキングが変わることは少ないです。
(ランキングトップ10の中で順位が入れ替わることが多い。)

これを見ると、上位2頭のディープインパクトとロードカナロアは2歳戦からハイパフォーマンスをみせ、

3歳になってもその勢いそのままに成長力著しい産駒が多いことがうかがえます。

ダイワメジャーは2歳戦に強く、

逆にオルフェーヴルは3歳になって力をつけて活躍する産駒が出てくる傾向が考えられます。

 


(社台スタリオンカタログより)

 

上の表は、2017年度の2歳リーディングサイアーランキングです。

2018年度とトップ10が全く同じではないですが、

ここでランキング内に安定して入っている種牡馬の子を選ぶというのが一つの戦略です。

私は何度も「まずは馬体を評価して、血統は二の次に見る」とお伝えしていますが、

時間がなく、限られた時間の中で有効的に馬を選びたい方には今回お話したことを頭の中に入れて、

是非とも実践してほしいと思います。