そこに含まれる本当の意味を考える

 

「走る馬を見出したい」と、馬を所有する方の多くが思っていることでしょう。

私自身も皆さんのような競馬が大好きな方に愛されるような馬を1頭でも競馬場に送り出したいと強く思いながら、競走馬の生産育成に携わっています。

ここまで、健康で強い馬を見極めるということに焦点を当てて、各馬体のコンフォメーションを中心にお話してきました。

まだまだたくさんあるので(笑)、これからも解説していきます……が…

ここで一旦皆さんにどうしても理解してほしいことがあり、今回はそれについてお話したいと思います。

さて、所有する馬を見出す際の相馬眼を磨くために、少しでも多くの馬を見ることの大切さをブログ内でお伝えしています。

私もこの業界に入ったころに尊敬するホースマンに頂いた言葉でもあり、これまでの経験からも見る目を養っていくためには、心にとめておくべき大事な言葉だと思っています。

意味そのものは間違いではありません。

しかし、もっと深い意味のもと使われている言葉なのです。

 

 

自分で投資することの意義

 

一口馬主ライフを楽しむ方の気持ちは様々です。

正直、私自身は一口馬主の存在を知った時に、「良い馬を選べれば最高に面白いものだろうけど、遊びだから損をしてもいい。競馬情報誌の中で取り上げられている馬を中心に出資すれば、間違いないだろう。」というスタンスで考えていました。

当時は、実際に出資はしていなかったものの、ずいぶん馬鹿な考えだったと思っています。

他人任せで、情報のままにお金をだし、「遊びだから損をしてもいい」という姿勢でした。

経過を追っていくと、情報のままお金を出していたら、とんでもないことになっていたという現実がありました。

これがもし仕事であれば、このようなずさんな態度は考えられません。

金額にかかわらず、投資をする以上、それに見合う成果をあげようとするのが常識です。

そのため、投資について厳しく調査しもし、成果を上げるための手も打ちます。

それは馬に出資する場合にも、そのまま通じることですが、自覚の足りない私は「損をしてもいい」という甘い態度でいたのです。

しかし、これは購入する馬を見る目も甘い上、何の努力もしないので、当然勝てずに損をするということにつながります。

現在の私が考える理想的な馬主というのは、

「走らない馬」を買わない馬主です。

そのためにも、厳しい目で見ることが大切なのです。

デビュー前のたくさんの馬を見て評価するのが前提ですが、1頭1頭のそれぞれの特徴が見えてきます。

そこで気になった馬のその後の数年の競走実績を見ていくことがさらに大事なのです。

成績に目を向けずに、自分の相馬眼を磨くことは不可能です。

その時の自分の評価と真摯に向き合うのです。

ちなみに、自分の評価が高い馬に限らず、見た馬すべてのその後を見ることによって視点は相当広がります。

ここまでの意味がこめられている言葉なのです。

試験で問題を解き、回答が得られないまま自分の答えが正解だとずっと思っているのは問題です。

それと同じことです。

自ら投資した場合、出資馬との付き合いは何年も続くので、点ではなく線状で馬の成長を見ていけます。

人間の心理上、お金を支払ったことに対しては本気になるものです。

それぞれ長所と短所があり、少なからず秀でているものに魅力を感じて出資すると思います。

ほとんどいませんが、短所しか見当たらない馬に積極的にいきませんよね。

極端な例ですが、ダートでは大敗しても芝では走る、もしくはこの距離では暴走すがある距離では好走する等、こちらの馬体の評価に対して馬はいろいろな答えを示してくれます。

それがその後の人間の考えるきっかけにもなります。

競馬に限らずいろんな局面で行動を起こすときや、向上心を保つ時に何か気付くきっかけがあって、‟疑問をいだき考える”ということは何より大事だと思っています。

 

さて、重賞を勝つ馬ばかりが良い馬ではありません。

例えば、2~3勝して上級条件に落ち着き、コンスタントに出走して入着してくれれば賞金は十分稼げるのです。

「2勝は堅い」と見込める馬を、1000万以下(出資額全額の意味)で買えれば、毎月の預託料などがあっても、まず損はないはずです。

 

妥協できないこと

 

最悪なのは故障をして競走馬にならない場合です。

無事に競走を務めてこそ賞金も入ります。

このブログのタイトルに‟健康”という言葉を使用しているのも馬を評価するにあたって能力と同様大事な要素だと考えているからです。

ですので、どんなに体形が良くても、脚元に難のある馬は絶対に買いません。

これから脚のコンフォメーションについても解説していきますが、故障の多くが脚元なのです。

その他では妥協もありますが、そこは値段次第です。

次回に続きます!